塩野義製薬株式会社イノベーティブ医療研究所 奥田智彦 - 株式会社サイキンソー代表取締役社長 沢井悠

健康の秘訣は、腸内環境にあり。

Update: 2021.01.22 
#開発ストーリー #腸活

実はよく知られていない腸と腸内細菌と私たちの関係、そして正しい腸活とは。菌叢データから「次世代のライフスタイル」を提案する株式会社サイキンソーの沢井悠CEOと塩野義製薬株式会社の奥田智彦博士が対談形式で腸について語り合いました。本記事ではその一部をわかりやすく解説します。

プロフィール

沢井 悠(株式会社サイキンソー 代表取締役社長)
東京大学工学部応用化学科卒。先端医療ベンチャー事業に関わった後、微生物ゲノム解析技術により有用化学品のバイオプラント開発を手掛けるベンチャーを経験。2014年サイキンソー設立。
奥田 智彦(塩野義製薬株式会社 イノベーティブ医療研究所)
塩野義製薬株式会社 マイクロバイオーム医療応用検討チーム リーダー
「感染症のシオノギ」だからこそできる、腸内細菌へのアプローチ法を模索している。

01腸は生物の原点であり、
宇宙。

生物の進化は、実は腸から始まりました。外からエネルギーを取り込む機能を、あらゆる生物が持っているのは最初に腸が出来たからなのです。そのうち腸に住みつきだす者(腸内細菌)も出てきました。私たち人間の腸内では、赤ちゃんのころから様々なものを食べることで腸内細菌の集団が育っていき、約100〜500兆個もの細菌が住んでいると言われています。まるでひとつの宇宙のように多様な生き物が共生し影響し合う臓器。それが私たちの腸なのです。

02腸内環境だってダイバーシティ(多様性)が重要。

腸は私たちに様々なメッセージを発信しています。中でも重要なのが便の「色」と「におい」です。生活習慣や体調、加齢、ストレスによって日々変化する腸内環境。意識して自分自身の腸と向き合うことで、日常的な健康も維持しやすくなります。ポイントは「多様性」と、「身体にとって望ましい腸内細菌が存在すること」。腸内環境は、お腹の調子だけでなく免疫や精神疾患にも影響すると言われています。多様な腸内細菌をバランス良く住まわせましょう。

03腸は生活習慣を映す鏡。

私たちの腸内に住む、ビフィズス菌、酪酸菌、乳酸菌といった身体に良い影響をもたらす腸内細菌の比率は、生活習慣の乱れや歳と共に減少していきます。その比率を戻し、腸内環境を改善するまでに要する期間は、1~2ヶ月、長いと3~6ヶ月程度。しかし、一度改善したからといって悪い生活習慣に戻すと腸内環境もまた元通りになってしまいます。無理せずに続けられる、自分にあった腸内環境を整える習慣を取り入れていくことが大切です。

04腸の状態を正しく知ることが、毎日の健康への第一歩

習慣的に摂取したものや、運動の有無など、腸は全てお見通しです。生活習慣の乱れは腸内細菌を悪くし、悪くなった腸内細菌が身体に悪さをする。そういった悪循環を断ち切るために、ご自身の腸と対話しながら、あなたにあった腸活を始めてみませんか。