健康な睡眠で免疫力が強くなる

Update: 2021.07.21
#免疫を整える

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睡眠の質が下がると免疫力が弱まります

ウイルスに打ち勝つ免疫力を得るためには、健康な睡眠をとることが重要です。睡眠は、1日の活動で疲労した脳や体の回復タイムであると同様に、免疫力も睡眠で十分休息をとることによって、本来の力が発揮できるようになります。
睡眠の質が下がると、免疫物質の生成や細胞の修復に関わる「成長ホルモン」の分泌が減少し、免疫力が低下。ウイルスを撃退する免疫細胞・NK(ナチュラルキラー)細胞の活性度が下がり、感染症にかかりやすい状態になります。

睡眠は免疫力の重要なメンテナンスタイム

睡眠中、体は休息を取っているだけでなく、明日の活動に備えて体内のメンテナンスを行っています。免疫システムも同じで、睡眠中に成長ホルモンが分泌されたり、自律神経のバランスが整えられることで、複雑な免疫システムの本来の力が発揮できるようになります。

免疫力アップ!

健康な睡眠は「眠りの深さ」がポイント

人は睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。レム睡眠とは、体は眠っているのに脳が起きている状態の浅い眠りで、ノンレム睡眠は脳も体も休んでいる深い眠りの状態です。
免疫力アップに重要な役割を果たすのが1回目のノンレム睡眠。眠り始めの90分で深いノンレム睡眠に達すると、「成長ホルモン」が多く分泌されるため、日中の活動で疲労した免疫力が回復・増強されます。

レム睡眠/ノンレム睡眠

〈あなたの眠りは大丈夫?睡眠チェック〉

□起床・就寝の時間が毎日バラバラ
□昼夜のメリハリがない生活
□必要な睡眠時間がとれていない
□日中に眠気を感じたり、居眠りしたりする
□日中、過度の疲労感がある
□寝付きが悪い
□睡眠中、何度か目が覚める
□朝、すっきり目が覚めない


1つでも当てはまる方は要注意。免疫力の維持や増強に必要な睡眠がとれていないかもしれません。

ちょっとしたコツで睡眠の質はぐっと良くなる?!
免疫力が高まる睡眠のコツ

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1.朝日を浴びて体内時計をリセット

毎朝、目が覚めたら朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう。夜に自然な眠気が訪れて質の良い睡眠が得られます。


2.起床時間を毎日同じに

起床時間を同じにすることで自然と睡眠サイクルが整い、睡眠の質がアップします。眠る時間は多少ずれてもOK。


3.寝る3時間前に食事を済ませる

寝る前に食べると睡眠中に消化吸収が行われるため、体が十分休めなくなります。就寝3時間前までには食事を済ませましょう。


4.寝る前はテレビやスマホをオフ

寝る前に、テレビやスマホのブルーライトを浴びると脳が昼と錯覚して覚醒。寝付きが悪くなったり眠りが浅くなったりします。


5.ぬるめの入浴で睡眠スイッチを入れる

就寝の1~2時間前にぬるめのお湯につかると体内深部の温度が上昇。お風呂上りに体温が下がり始めて眠気を誘発します。


免疫力が高まる睡眠のコツを知り、質の良い睡眠をとって免疫力を高めましょう。

監修

農学博士 矢澤 一良先生
農学博士 矢澤 一良先生
早稲田大学ナノ・ライフ 創新研究機構 規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門 部門長
京都大学工学部卒業。その後、相模中央化学研究所に入所、東京大学より農学博士号を授与される。
2000年、湘南予防医科学研究所を設立。主な研究テーマは、予防医学的食品・医薬品素材。日本脂質栄養学会理事、日本機能性食品医用学会理事、日本臨床栄養協会理事。