免疫が働く仕組み

Update: 2022.10.3
#感染症対策

イメージ

「自然免疫」と「獲得免疫」

人間には「自然免疫」と「獲得免疫」の2つの免疫があります。「自然免疫」とは、もともと人の体に備わっていて、体内に侵入してきた病原体や菌などを食べて退治する免疫細胞の働きのことです。そしてもう一つが、後天的な免疫である「獲得免疫」です。一度出会った病原体や菌などに合わせて抗体を作り、もう一度出会ったときに攻撃してくれるシステムです。

白血球の連携でウイルスと戦う

免疫細胞は、白血球という血液成分の中に含まれています。白血球には単球・リンパ球・顆粒球の3 種類があり、自然免疫と獲得免疫どちらの機能も持っている重要な存在です。それぞれ役割の異なる免疫細胞が白血球として連携しチームとなることで、病原体や菌などと戦ってくれているのです。

免疫細胞のエース、NK 細胞

白血球にいる免疫細胞の中で、とくに個性的な働きをするのがナチュラルキラー(NK)細胞です。他の免疫細胞はお互いに連携しながら機能するのに対して、NK細胞だけはウイルスに感染した細胞やがん細胞などを単独で壊してくれることがわかっています。ただしNK細胞の活動は体内環境に左右されやすく、運動不足・腸内環境の悪化・睡眠不足・ストレスなどで活性が弱まってしまいます。

監修

矢澤 一良先生
農学博士 矢澤 一良先生
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長
京都大学工学部卒業。その後、相模中央化学研究所に入所、東京大学より農学博士号を授与される。
2000年、湘南予防医科学研究所を設立。主な研究テーマは、予防医学的食品・医薬品素材。日本脂質栄養学会理事、日本機能性食品医用学会理事、日本臨床栄養協会理事。