食物繊維で免疫力を強力サポート

Update: 2022.3.14
#免疫を整える

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年齢を重ねると腸内環境が悪化し、
免疫力が低下しやすくなる?

「便秘」というと若い女性に多いイメージですが、年齢とともに男女を問わず、ぜん動運動が衰え、便秘に悩む人が増えてきます。便が長く体内に留まると、腸の中で異常発酵を起こし、有害物質やガスが発生。一部が吸収されて、体にさまざまな悪影響を及ぼします。それらから体を守ろうとして免疫力には多大な負担がかかり、慢性化すると、徐々に働きが低下していきます。また、滞留便に邪魔されて必要な栄養素が十分吸収できなくなることも、免疫力の低下に拍車をかけます。そこで、注目したい栄養素が「食物繊維」です。

腸内環境が免疫力に与える影響
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さまざまな健康効果が期待できる食物繊維

食物繊維は、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルに次ぐ第6の栄養素として、その健康効果に注目が集まっています。人の消化酵素では分解することができない成分で、かつては栄養素として認められていませんでしたが、今ではさまざまな嬉しいメリットが明らかになっています。最大の特長は「栄養として吸収されないことで健康に役立つ」ということ。また、腸のぜん動運動にも嬉しい働きがあります。


腸に嬉しいぜん動運動を促し
腸内環境を整える「2つの食物繊維」

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の「2つの食物繊維」があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

水溶性食物繊維

海藻・果実・こんにゃくなどに多く含まれる水に溶ける食物繊維。
溶けるとゲル状になって便のカサを増やし、腸を刺激してぜん動運動を促進します。

水溶性食物繊維の嬉しいポイント!

●腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。
●でんぷんの消化吸収速度を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。
●腸内でコレステロールを吸着。便とともに排出することで、吸収を抑えます。


不溶性食物繊維

穀類・野菜・豆類などに多く含まれる水に溶けない食物繊維。
水に溶けず、水分を吸収して数倍から数十倍に膨張。便のカサを増やし、排便を促します。

不溶性食物繊維の嬉しいポイント!

●水分を吸収して便をやわらかくします。
●便のかさを増やすことで腸の蠕動運動を活発にして排便回数を増やします。

年齢を重ねるほど積極的に食物繊維を摂りましょう

多くの日本人は食物繊維が不足しており、厚生労働省は18歳以上の男性の場合、食物繊維の摂取目標量は1日あたり21g、18歳以上の女性の場合は1日あたり18gを推奨しています。年齢を重ねるとぜん動運動はより衰えがちになります。1日の摂取目標量を目指し、積極的な摂取を心がけましょう。

腸がキレイだと免疫力がイキイキと働けます。
たっぷりと食物繊維を摂取して、免疫力が元気になるようサポートしましょう。

監修

農学博士 矢澤 一良先生
農学博士 矢澤 一良先生
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長
京都大学工学部卒業。その後、相模中央化学研究所に入所、東京大学より農学博士号を授与される。
2000年、湘南予防医科学研究所を設立。主な研究テーマは、予防医学的食品・医薬品素材。日本脂質栄養学会理事、日本機能性食品医用学会理事、日本臨床栄養協会理事。