知っておきたいフレイルのこと
そもそも、フレイルとは?
フレイルとは病名ではなく、筋力や認知機能、社会のつながりなどが低下した状態を意味する英語「Frailty(フレイルティ)」を語源として作られた言葉です。わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のこと。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険も。しかしフレイルは、早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。
どう予防するの?
フレイル予防は日々の習慣とも結びついています。大切なポイントは「栄養」「運動」「社会参加」の三つ。どれか一つだけをすれば良いというものではありません。「食べて、動いて、人とつながる」というライフスタイルをうまく取り入れることが効果的です。無理なく、楽しく、フレイル予防に取り組んでみましょう。
今日からはじめるフレイル予防
[ 予防1:栄養 ]
バランスの良い食事をしっかり摂りましょう。
フレイルを予防する上では、やせすぎや栄養不足を見落とさないようにすることが大切です。特定の栄養素や食材だけを摂取することは、栄養が偏りさまざまなリスクを抱えるので禁物です。いろいろな食品を食べることで、栄養状態を良好に保つことができ、フレイル予防につながります。筋肉の元となる魚、肉、卵、大豆製品や、骨を強くする牛乳、乳製品、を多く摂りましょう。栄養バランスの良い食事を、よく噛んで食べること。それこそが、健康のためには大切なのです。
良好な栄養状態を保つための食事
低栄養を予防するために、日々の食事では米・パン・麺などの「主食」、肉・魚・卵・大豆製品などを用いたメイン料理の「主菜」、野菜・きのこ・いも・海藻などを用いた小鉢・小皿料理の「副菜」をそろえて多様な食品を食べることを心がけましょう。
[ 予防2:運動 ]
体力(筋肉量)の減少に要注意。
体力(筋肉量)の低下によって、出歩くことが億劫になると、人との交流や会食など生活全般に影響が及びます。フレイルにならないためには、体力を一定以上に維持することが大切になります。ちょっとした運動でも、継続して行うことが非常に重要です。
ストレッチのすすめ
スポーツウェアを着て激しい運動をするのは苦手。そんな方には、おうちで数分間深呼吸しながら身体を伸び縮みするだけで気持ちまですっきりできるストレッチをおすすめします。できることをコツコツと。しなやかな筋肉を手に入れましょう。
なごみ時間 心とからだのストレッチ
体力を保つための運動
たとえば、スーパーまで10分かかる道のりを9分30秒で行けるようにするために、少しだけ早く歩いてみたり、あるいはいつもより少しだけ(10cm程度)歩幅を広く歩いてみたり。こうしたちょっとの工夫の積み重ねが刺激となり、体力の回復につながります。
[ 予防3:社会参加 ]
無理せず気ままにお出かけしよう。
誰かと予定を合わせて、約束の場所へ、そんな毎日だけじゃなくてもいいのです。気ままにふらっとお気に入りのお店に立ち寄る、公園を彩る木々に季節を感じる、風を感じ日光を浴び、深呼吸する。それだけでも人の心身は喜ぶものです。
外出・社会交流・社会参加をしよう
外出する理由はどんなものでも構いません。社会交流にも決まった形はありません。近所の人でも友人でも、誰かと何かしらの関わりを持てば、それは社会交流となります。社会参加も、難しく考えず、どんな活動でも人が集まって行う活動は社会参加活動と捉えて構いません。感染症対策を万全にしつつ、気軽に一歩踏み出してみることが大切です。
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