感染症多層防御のススメ「食事」

Update: 2021.02.10
#感染症対策

強い体づくりのために
欠かせない栄養素

感染症から身を守るための「強い体づくり」には、食事から摂る栄養素が欠かせません。栄養素の基本的な知識と、バランスの良い食事の摂り方を紹介します。

「気がつけば同じものばかり食べている」
そんなことはありませんか?

「この食材が特定の疾患に効果がある」ということを見聞きすることがあると思います。特定の栄養素や食材だけを摂取して栄養が偏ると様々なリスクを抱えてしまいます。私たちは将来どのような不調、病気になるかはほとんどわかりません。栄養バランスの良い食事こそが、健康のためには大切なのです。

健康に欠かせない6大栄養素

栄養バランスの良い食事とは、健康に欠かせない6大栄養素をバランス良く摂取することが基本です。6大栄養素とは、①糖質、②脂質、③たんぱく質、④ビタミン、⑤ミネラル、⑥食物繊維のこと。それぞれが強い体をつくるために大切な役割をもち、欠かすことのできない存在であることから、わかりやすく車に例えて紹介します。

6大栄養素の役割を車に例えると

ガソリン
①糖質 (ごはん、パンなど) ②脂質(肉、オイルなど)

生命活動のエネルギー源として必要な栄養素です。筋肉や臓器で力や熱を生み出します。



車体やエンジン
③たんぱく質(肉、魚、卵、大豆など)

骨、筋肉、臓器など体を形づくる組織の主成分です。ホルモンや酵素の材料にもなります。



オイル・潤滑油
④ビタミン(野菜・果物など) ⑤ミネラル(野菜・肉、貝など)

ほとんど体内で合成されない栄養素。体の調子を整え、働きをスムーズにする役割があります。



整備士
⑥食物繊維(野菜、きのこ、寒天など)

腸の掃除や腸内細菌のエサになるなど、腸の中で様々な働きをし、病気の予防にも役立ちます。

バランスの良い食事を摂るためには
食べる種類、量、調理法がポイント

1回あたりに提供する標準的な量の単位を「サービング(SV)」といいます。
下図の料理例に記載しているSV数を参考に、1日の食事で摂った食事量をカウントし、料理区分毎のSV数と照らし合わせながら、バランスの良い食事を目指しましょう。

調理法が重複しないようにしましょう

炒めものだけ、揚げ物だけなど、いつも同じ調理法だと、塩分や油分の摂り過ぎになりがちです。調理法は1食のうちでも重複し過ぎないように意識して、バランスのよい食事を心掛けましょう。

【 Topics 】体の中でほとんどつくられない
ビタミン・ミネラルの働き

ビタミンとミネラルは、健康を維持するために必要不可欠な栄養素です。体の中ではほとんど合成されないため、食べ物から摂取する必要があります。健康のためには、バランス良く摂取することが大切です。

成分
主に働く場所、働き、食材
ビタミンA
 -  主に働く場所:肌、粘膜と目  -  主な働き:肌や粘膜、目の機能を正常に保つ働きがある。  -  多く含まれる食材:レバー、緑黄色野菜、海藻
ビタミンB1
 -  主に働く場所:疲労回復、神経  -  主な働き:糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助ける。神経機能を正常に保つ。  -  多く含まれる食材:豚ヒレ肉、玄米、うなぎ
ビタミンB2
 -  主に働く場所:肌、粘膜  -  主な働き:脂質をエネルギーに変える。細胞の再生を助ける。  -  多く含まれる食材:レバー、卵、チーズ
ビタミンB6
 -  主に働く場所:肌、神経  -  主な働き:たんぱく質をエネルギーに変える。脳の神経機能を維持する。  -  多く含まれる食材:にんにく、酒粕、ごま
ナイアシン
(ビタミンB3
 -  主に働く場所:皮膚、神経  -  主な働き:エネルギーの産生に働く。肌や粘膜を健康維持に働く。  -  多く含まれる食材:赤身の魚、鶏ささみ、きのこ
ビタミンC
 -  主に働く場所:肌、抗酸化  -  主な働き:肌、血管、筋肉、骨などを丈夫にする。抗酸化作用を持つ。  -  多く含まれる食材:野菜、果物、芋類
ビタミンD
 -  主に働く場所:骨、免疫  -  主な働き:カルシウムの吸収を高め、骨を丈夫にするのを助ける。免疫機能を整える。  -  多く含まれる食材:きくらげ、干ししいたけ、いわし
ビタミンE
 -  主に働く場所:血行改善、抗酸化  -  主な働き:血行を促進。強い抗酸化力で細胞を保護する。  -  多く含まれる食材:ひまわり油、アーモンド、魚卵
ビタミンK
 -  主に働く場所:血、骨  -  主な働き:出血したときに血を固める。丈夫な骨をつくるのを助ける。  -  多く含まれる食材:納豆、パセリ、あしたば
マグネシウム
 -  主に働く場所:骨、血圧調整  -  主な働き:骨や歯の生成を助ける。カルシウムと共に血圧を調整する働きがある。  -  多く含まれる食材:ナッツ類、玄米、大豆製品
カルシウム
 -  主に働く場所:骨、神経、筋肉  -  主な働き:骨や歯を丈夫にする。血圧を調整し、血液中で神経伝達物質を運ぶ役割を持つ。  -  多く含まれる食材:牛乳、小魚、大豆製品