暑さによる食生活の乱れが夏バテを招く!?
日本の夏は高温多湿。不快指数の高い気候に加えて、“猛暑の屋外からエアコンの効いた室内へ”といった急激な環境変化に体が対応できなくなり、そのストレスから自律神経のバランスが乱れがちになります。
自律神経が乱れると免疫機能も上手く働かなくなります。また、自律神経の不調は胃腸など消化器機能の低下を招き、食欲不振、ひいては疲労感やだるさ、気力減退などの「夏バテ」につながります。
さらに、夏バテによる食欲不振でたんぱく質やビタミン、ミネラルなど、体を作ったり整えたりする栄養素が不足することから、ますます免疫機能の低下に拍車がかかります。

夏バテ対策は食生活から。
滋養にいい食材をとって免疫力アップ
滋養とは、「体の栄養となって健やかに整えること」または「その働きを持つ食物」を指します。
夏バテの予防・対策には体本来の働きに必要な栄養素を、食事でしっかり補給することが大切です。冷たい麺類や飲み物でお腹を満たすのではなく、「弱っている機能をサポートする栄養素」や「夏に不足しがちな栄養素」を補える、滋養にいい食材を選ぶのがポイント。「量」より「質」を重視した食生活で、体の中から元気を作り出しましょう。
滋養にいい食材で免疫力をサポートしましょう

〈夏バテ対策におすすめ! 滋養にいい食材〉
ネバネバ食材
オクラやモロヘイヤなどのネバネバした食材に含まれる、水溶性食物繊維とたんぱく質が結合した成分には胃腸を保護したりたんぱく質の分解を促進したりする働きがあり、疲労回復を促します。
[おすすめ食材]
・ヤマノイモ ・モロヘイヤ ・オクラ
※オクラやモロヘイヤなどのネバネバした食材に含まれる成分をムチンと表記しておりましたが、ムチンは動物性粘液の主成分であり別物質でした。訂正してお詫び申し上げます。

旬の夏野菜
夏の太陽を浴びた緑黄色野菜はビタミン・ミネラルがたっぷり。また、みょうがや新しょうがなど旬の薬味は血行を促進して体を温める働きがあります。
[おすすめ食材]
・ゴーヤ ・トマト ・みょうが ・枝豆

スタミナアップ食材
かつお、まぐろなど赤身魚にはビタミンB1が多く含まれ、疲労回復に効果的です。これらを、にんにくやねぎなどのアリシンを含む食材と一緒に食べるとビタミンB1の吸収が良くなります。
[おすすめ食材]
・豚肉 ・まぐろ ・かつお ・にんにく

夏は体への負担が大きく免疫力が低下しやすい季節。滋養にいい食材のパワーを借りて、体の中から夏バテ対策に取り組み、夏を元気に乗り切りましょう。
監修

- 農学博士 矢澤 一良先生
- 早稲田大学ナノ・ライフ 創新研究機構 規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門 部門長
京都大学工学部卒業。その後、相模中央化学研究所に入所、東京大学より農学博士号を授与される。
2000年、湘南予防医科学研究所を設立。主な研究テーマは、予防医学的食品・医薬品素材。日本脂質栄養学会理事、日本機能性食品医用学会理事、日本臨床栄養協会理事。