京に学ぶ「大根焚き(だいこんだき)」

Update: 2021.12.9
#京に学ぶ

大根焚き(だいこんだき)

親鸞聖人の故事にちなんで行われる「大根焚」

京都市右京区にある真宗大谷派 法輪山(ほうりんざん)了徳寺(りょうとくじ)で「大根焚」が行われるのは、毎年12月9日、10日の2日間。建長4(1252)年、了徳寺を訪れた親鸞聖人から教えを説かれた村人たちが、お礼に塩炊きの大根を振る舞いました。親鸞聖人はそのもてなしに応えて、筆代わりのすすきの穂を使い、鍋に残った煤で「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」と書き残したと伝えられています。この故事にちなんで行われるのが報恩講「大根焚」です。

※2021年の大根焚は感染防止のため持ち帰りのみとなりますが、午前11時から法要と法話は行われます

大根焚
「大根焚」には、前日早朝に掘り出される約3,000本の青くび大根が使われます。門徒が総出で準備を行い、たくさんの大根が焚き上げられます。
大根焚
早朝から焚かれる大根は、ほっこりとした味わいで体を温めてくれます。「大根焚」は2日間とも、午前9時から午後4時までの間、行われます。※大根焚は有料
親鸞聖人坐像
参拝者に提供される大根は醤油などで味付けされたものですが、本堂の親鸞聖人坐像には、故事にあるように塩焚きの大根がお供えされます。

了徳寺のご本尊は、聖徳太子が彫った阿弥陀如来像

了徳寺は、正西法師(しょうせいほうし)によって建立されました。ご本尊は、聖徳太子が自ら桂の木を掘って作ったといわれている阿弥陀如来像。応仁の乱のあとに安置されたと伝えられています。そのご本尊の横には、仏師・湛慶(たんけい)が作ったと言われる親鸞聖人の坐像が安置されているほか、屋外には銅像も置かれています。さらに、境内では親鸞聖人ゆかりの「すすき塚」を見ることができるなど、親鸞聖人と深いつながりがあるお寺です。

了徳寺
了徳寺があるのは京都市右京区。門前には「大根焚寺」と書かれた石碑も設置されています。通常は静かな空気に包まれていますが、大根焚きの際にはたくさんの人で賑わいます。
阿弥陀如来像
本堂には、聖徳太子自らの手で作られたと伝えられる阿弥陀如来像が安置されています。普段、本堂は閉められていますが、大根焚が行われる2日間は開放されます。
掛け軸
ご本尊の横には、親鸞聖人が書き残したと言われる「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」の掛け軸がかかっています。
[今回ご紹介した社寺仏閣]
了徳寺
住所 京都市右京区鳴滝本町83
電話番号 075-463-0714
拝観時間 拝観自由
https://goo.gl/maps/QazCXRWgb1amkjge6