京に学ぶ「やすらい祭」

Update: 2021.04.20
#京に学ぶ

京の三奇祭にも数えられる
歴史あるお祭り「やすらい祭」

今宮神社にて、4月の第二日曜に行われるのが「やすらい祭」です。疾病を鎮め、平安を願うための祭りで、春の陽気のなかで飛散するといわれる疫神を、囃子や歌、踊りで追い立て、花傘へと誘い、疫社へ送り込む、というのが祭りのあらまし。氏子が扮する大鬼たちが大きな輪になり、「やすらい花や」の声に合わせて、やすらい踊りを奉納します。祭りの中心は風流傘とも呼ばれる花傘。この傘の下に入ると、1年間健康に過ごせると言い伝えられていて、見物に訪れた人たちが傘に入ろうと大いに賑わいます。

訪れた人々は、緋の衣装に身を包んだ氏子たちの踊りを楽しみます。現在は「上野やすらい」「川上やすらい」という2つの地域のやすらい踊りを見ることができ、それぞれの踊りの違いも見どころのひとつです。

やすらい祭

紫野の御霊会(ごりょうえ)からの
長い歴史がある今宮神社

今宮神社のある場所には、平安遷都以前から疫神を祀る社があったと伝えられています。正暦5(994)年、紫野で御霊会が営まれ、この地の疫神を南側に位置する船岡山に安置します。そして長保3(1001)年、改めてこの地で御霊会を行い、新たに祀られた神殿を中心に、疫神を鎮める神域としての今宮社が形作られました。境内には国の登録有形文化財に指定された多くの社があるほか、病気平癒を祈る奇石「阿呆賢」さんなど見どころ豊富で、多くの人が訪れます。

※御霊会…厄災などを鎮めるための祭礼

今宮神社
明治に再建された本社。東側には、疫神を祀る疫社があるほか、春には美しい桜を見ることもできます。
阿呆賢(あほかし)
「重軽石(おもかるいし)」とも呼ばれているのが「阿呆賢(あほかし)」さん。まず軽く手の平で三度石を打ち、持ち上げるとたいそう重く感じ、再度願い事を込めて三度手の平で撫でて持ち上げる。軽く感じれば願いが成就すると言い伝えられています。
栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)
織姫社の御祭神「栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)」は、織物の祖神とされていて、七夕伝説の織姫に機織(はたお)りを教えたともいわれています。
[今回ご紹介した社寺仏閣]
今宮神社
住所 京都府京都市北区紫野今宮町21
電話 075-491-0082
拝観時間 拝観自由(社務所9:00〜17:00)
https://goo.gl/maps/MVLZDbiiFuNMwbrs5