京に学ぶ「はねず踊り」

Update: 2021.03.11
#京に学ぶ

はねず色の衣装を着た女の子たちが
華麗に舞う「はねず踊り」

毎年3月の最終日曜日に、随心院(ずいしんいん)で行われているのが、はねず踊り。このはねず踊りは一時途絶えてしまっていたものが、復活を願う人たちの尽力により、昭和48(1973)年に再開されました。「はねず」とは薄紅色のこと。当日は、薬医門前に組まれた舞台の上で、はねず色の衣装を着た地元の小学生たちが登場し、小野小町と深草少将の百夜通いの歌や尺八、琴、太鼓などの演奏に合わせて、美しい舞を見せてくれます。雨天の場合は堂内で開催され、前日には奉納舞も行われます。
※2021年のはねず踊りは中止となりました。

はねず踊りは11時に1回目の舞が始まり、1日に4回見ることができます。左の写真の今様などの舞も行われ、たくさんの参拝客が詰めかけます。
境内にある小野梅園では、約200本の梅を見ることができます。はねずの梅と呼ばれる薄紅色の梅が見頃になるころ、はねず踊りが行われます。

はねず踊りが行われる
随心院の境内は見どころがたくさん

真言宗善通寺派の大本山、隨心院。小野小町に縁の深いお寺としても知られ、正暦二(991)年に創建され、古くは牛皮山曼荼羅寺と呼ばれていたお寺の塔頭として、建立されました。寛喜元(1229)年には、後堀河天皇から門跡の宣旨を受けましたが、応仁の乱により焼失。慶長四(1599)年に本堂が再建され、現在へと続いています。小野小町に縁のあるお寺としても有名で、境内には化粧井戸など小野小町に関する史跡もあります。小野梅園で見られる梅を始め、季節ごと、それぞれの美しい情景を楽しむことができます。

本堂に安置されている阿弥陀如来像、快慶作の金剛薩捶坐像(こんごうさったざぞう)は、いずれも重要文化財に指定されています。
境内にある化粧井戸は、小野小町が使っていたという言い伝えも。ほかに本堂裏には、小町に縁のある文塚もあります。
小野梅園の梅の見頃は、例年3月上旬ごろから。春の訪れを告げる梅を見るため、たくさんの人が訪れます。

[今回ご紹介した社寺仏閣]

随心院
住所 京都市山科区小野御霊町35
電話 075-571-0025
拝観時間 9:00〜17:00(16:30受付終了)
※2021年のはねず踊りは中止となりました。
https://goo.gl/maps/vdUtHbUW75GXoSzZA