京に学ぶ「湯立神事(ゆだてしんじ)」

Update: 2021.02.01
#京に学ぶ

霊泉「石清水」から組み上げた
ご神水で行われる「湯立神事」

石清水八幡宮にて、毎年2月1日と節分の日に、正午から行われるのが湯立神事です。春を呼ぶ節分行事として、長い歴史を持つこの神事。男山中腹に湧き出ている霊泉「石清水」から組み上げたご神水を、大釜で沸かし、神前に献上します。神楽女が笹の葉を大釜の中へ入れ、たっぷりと湯に濡れた笹の葉を激しく振りまくと、真っ白な湯気を上げて四方に湯が飛び散ります。参拝者はその湯を浴び、厄除け、無病息災、五穀豊穣を願います。最後に参拝者には、笹の葉が分け与えられるのが恒例。毎年数多くの人が足を運び、大いに賑わいます。

大釜の湯は米や塩、酒で清められたあと、竹筒へ入れ、神前に供えられます。神楽女が笹の葉で湯を振りまく迫力ある姿は必見。たくさんの参拝者が様子を見守ります。

平安時代からの歴史がある
石清水八幡宮

「やわたのはちまんさん」としても親しまれている石清水八幡宮の歴史は、平安時代始めにまで遡ります。清和天皇の貞観元(859)年、南都大安寺の僧である行教和尚が、男山の峰にご神霊を奉安したのが起源で、翌年には八幡造の社殿が造営されました。第64代円融天皇の行幸以来、天皇の行幸、上皇の御幸は250余度にもなります。明治の始めに一旦「男山八幡宮」と改称されましたが、大正7年には由緒深い「石清水」の社号の入った「石清水八幡宮」となりました。全国屈指の厄除けの神社として、新春はもちろん1年を通じて数多くの人々が参拝に訪れます。

長い歴史があり、本殿を含む本社10棟が国宝に指定されているほか、文化財に指定されている古文書なども数多くあります。
一ノ鳥居は高さ約9メートル、最大幅約11メートルの大きさ。寛永13(1636)年に石鳥居になりましたが、それまでは木製でした。
一ノ鳥居にかけられている額にも注目。「八幡宮」と書かれていますが、この「八」の字は神使である鳩が向かい合い、顔を外に向けたデザインになっています。

[今回ご紹介した社寺仏閣]

石清水八幡宮
住所 京都府八幡市八幡高坊30
電話 075-981-3001
拝観時間 6:30〜18:00
※時期により異なる
https://goo.gl/maps/zD5iQtii7mbhtkV86