Vol.25 彩りを添える京都のおみやげさがしさんぽ その1

Update: 2023.6.20
#虫眼鏡さんぽ

京都のおみやげ

観光都市京都は、おみやげの宝庫。今回はザ・京都な定番みやげとはちょっと違うものを探しに。中京区から左京区の一乗寺まで足を延ばし、自分自身にはもちろんのこと大切な人に贈りたくなる、そんな素敵なおみやげを見つけてきました。

美意識をくすぐる化粧筆専門店【六角館さくら堂】

聖徳太子ゆかりの古刹であり、いけばな発祥の地でもある六角堂(頂法寺)からスタート。山門前の六角通を西へと歩き、新町通の南西角に暖簾を掲げる化粧筆専門店「六角館さくら堂 KYOTO本店」を訪ねました。

六角堂
お店の名前に合わせて暖簾もさくら柄

元呉服屋の建物を改装したというお店で、ショップスペースは近代的な空間ですが、隣の部屋から見える坪庭が町家の趣を感じます。店内には、チークブラシやリップブラシなどのメイクブラシから、洗顔用のブラシ、ボディブラシまで約200種類におよぶバリエーション豊富な化粧筆が並んでいました。

ブラシ
ブラシの種類の多さに圧倒!

種類の多さに圧倒されていると、スタッフの方が筆を手に取って案内してくださいました。
江戸時代から筆の生産地として名高い広島県安芸郡熊野町の職人「筆司」が一本一本手作りするという「熊野筆」は、プロのメイクアップアーティストたちも愛用しているそうです。

ブラシ
一つ一つ手ざわりを試してみたくなります

特に卒業や入学のシーズンに贈り物として人気という「さくら筆」シリーズは、薄紅色の桜デザインが可憐で飾っておくだけでも優雅な気分になれそう。

さくら筆シリーズ
さくら筆シリーズ

店内のブラシを手にとって触れてみると、驚くほどふわふわ!
リス、馬、山羊、イタチ、ウォーターバジャーなど、ブラシの原料となる天然毛もさまざまで、毛の部位によって質感が異なります。その特性の見極めと筆司の確かな技により、さまざまなブラシが生まれるのだそうです。

きめ細か
シルクのように艶があり、きめ細か

洗顔ブラシは、器を使ってきめ細かな泡を立てたらブラシを直接顔にのせ、小刻みにくるくると動かすそうです。実際に手で試してみると、ブラシの肌あたりがとろけそうなほどやさしく、泡立ちは生クリームのようにきめ細か。道具ひとつで毎日の気分をこれほどまでに変えてくれる職人技に感服したのでした。

フラワー洗顔ブラシ
キュートなフラワー洗顔ブラシも

独特の世界感で魅了するドライフラワーの専門店【カシェット】

街なかを離れ、左京区の一乗寺へ。京都造形芸術大学方面に向かって白川通を歩いていると、蔵を改装したような趣のある建物が現れました。


外観
白壁と黒い瓦とのコントラストが目を引きます
モノトーンの看板
モノトーンの看板にセンスが光ります

入り口は、引き戸でも開き戸でもなく、全面ガラス張りの回転ドア!町家のたたずまいと回転ドアとの取り合わせがなんとも個性的。そっと手で押して中へ入ると……

店内
非日常感あふれる空間

店内の空間いっぱいにドライフラワーが!!
足元も天井も無数のドライフラワーの花束で埋め尽くされ、絵本の世界に迷い込んだような不思議な非日常感に包み込まれます。


ドライフラワー
壁にもドライフラワーのアレンジメントが
ドライフラワー
ガラスの器との相性もいいんですね

こちらのお店は、ドライフラワーのお店「Cachette(カシェット)」。アンティークが基調のインテリアと、彩度を抑えたスモーキーカラーのドライフラワーが素敵に調和しています。
バラやアジサイ、ミモザなど馴染みのある花から、綿菓子のようにふわふわな「コットンフラワー」、ススキの穂のようにモフモフの「パンパスグラス」、ほんのり透き通ったシェルのような「ルナリア」などここで初めて出会えた花たちも。

可憐なアレンジ
可憐なアレンジに見惚れます

ガラスの小さなドームの中にミニバラのドライフラワーが入っていたり、試験管の中にドライフラワーや草花、木の実を彩りよく重ねたり。他では見かけないアイテムがたくさん。

落ち着いたトーン
落ち着いたトーンでインテリアにもなじみそう

自然が生み出した植物や花たちの造形美がより引き立ち、生花のみずみずしい美しさとはひと味異なる魅力にあふれています。これまでドライフラワーは「生花が枯れてしまったもの」という認識でしたが、生花とは別の新たな命が吹き込まれたアートなのだと気づかされました。


一日中浸りたい!本と雑貨のセレクトショップ【恵文社一乗寺店】

左京区一乗寺にあるブックストア、恵文社一乗寺店へ。

素敵な外観
中に入らずにはいられない素敵な外観

本のセレクトから空間づくり、ディスプレイに至るまで、センスがキラリと光る素敵なセレクトショップです。

店内
セレクトされた本が並ぶ店内

書店に向かって右隣には、衣・食・住を中心とした暮らしに関連する本と、それらにちなんでセレクトされたテーブルウェアやキッチンツール、調味料などが並ぶ「生活館」。 向かって左側には、多彩なカルチャーを紹介する「ギャラリーアンフェール」が。

本の魅力を知り尽くした店員さんが吟味して棚に並べておられるからでしょうか、一つの本を手に取ったらその隣の本へ、さらにそのまた隣の本へ……次々に興味が湧いてきて、お気に入りの一冊を求める時間は、楽しくもあっという間に過ぎていきます。

3つの建物が連なっていて、書店とギャラリーアンフェールは、奥の中庭を経由して行き来できるのもなんだかワクワク。気の向くまま、日が暮れるまで過ごしたくなります。


ギャラリーアンフェール
ギャラリーアンフェール
ブックカバーや封筒など
ブックカバーや封筒など何を作ろうか想像がふくらみます
シャボン玉
オリジナルのシャボン玉

エコバッグやシャボン玉、ブックマークなど恵文社のオリジナルアイテムも。ここ一乗寺がラーメン街道であることにちなんで、ラーメンのイラストが描かれたエコバッグもあり、クスッと楽しくなるデザインばかり。

エコバッグ
オリジナルのエコバッグ

本と、本から広がっていく世界が、毎日を心豊かにしてくれる。慌ただしい日々に流されて忘れかけていたそのことを思い出させてくれたお店でした。


今回の虫眼鏡スポット(Google map)