Vol.24 京都王道写真映えさんぽ その2

Update: 2023.4.27
#虫眼鏡さんぽ

京都王道写真

王道の写真映えスポットを探すさんぽの第2弾は、新緑まぶしい嵐山へ。竹林の小径、宝厳院、嵐電嵐山駅のキモノフォレストまで、目も心も癒される清々しい景色が広がっていました。

青々とそびえる竹に囲まれた趣深い小道【竹林の小径】

この日はJR嵯峨嵐山駅からスタート。渡月橋や天龍寺門前をつなぐ嵐山のメインストリートを経由し、嵐山・嵯峨野で指折りの人気スポット「竹林の小径」へ。

竹林
この竹林がいつ造成されたのか、誰が手がけたのかは不明とのこと

「竹林の小径」は、野宮神社、天龍寺の北門、そして大河内山荘庭園をつなぐ約400mの散策路です。

道なりに進むと、道が二つに分かれていて、まっすぐ進むと野宮神社がありました。紫式部『源氏物語』第十帖「賢木」の巻の舞台となった古社で、縁結びのご利益で親しまれているそうです。

境内
静けさに包まれた境内

鳥居は丹塗りの鳥居でも石鳥居でもなく、木製の鳥居。樹皮がついたままのクヌギの木で、「黒木の鳥居」と呼ばれ、日本で唯一の貴重な鳥居だそうです。
野宮神社でお参りをした後、もう一方の道を進みます。

カップルの姿
フォトウェディングらしきカップルの姿も

人力車がゆったりと通り過ぎて行く小径は、和の風情満点。視界いっぱいに広がる緑、別世界のようです。

竹林
竹林を見上げて深呼吸

青々とした竹が生い茂る小径は昼間だというのに薄暗いけれど、空を仰ぎ見れば竹の隙間から淡い光がこぼれて神々しい!
凛とそびえる竹は風が吹くとゆらりと揺れ、葉がすれ合う音がさらさらと響き渡ります。

小径を抜けたときには清々しい気分に。竹林には心身を浄化する効果があるのかもしれませんね。

大堰川
竹林を抜け、嵐山公園を越えると大堰川に出る

しっとりとした苔庭と青もみじの共演【宝厳院】

大堰川から嵐電嵐山駅方面へぶらりと歩いていると、「京都随一 新緑の名園 春の特別拝観」の看板が目に留まりました。

宝厳院の山門
宝厳院の山門

臨済宗の大本山・天龍寺の塔頭寺院、宝厳院(ほうごんいん)です。通常は非公開のお寺ですが、この日は特別に拝観できる貴重な機会ということで、山門をくぐってみることに。

宝厳院垣
境内の一角にある趣深い宝厳院垣

境内に入ると、まぶしいほどの新緑が視界を覆い尽くしました。コーンコーン……と、どこからか聞こえてくる「鹿おどし」の音、小さなせせらぎの涼やかな音が静けさの満ちる境内に響き渡ります。

豊丸垣
竹の小枝を下向きに重ねた「豊丸垣」

嵐山を借景とする回遊式庭園「獅子吼(ししく)の庭」では、しっとりとした苔庭や小柴垣が寄り添う散策路が参拝者をいざないます。京都の名所や名園を綴る江戸時代のガイドブック『都林泉名勝図会』でも紹介されていて、「獅子吼」とは仏様の説法を意味するそうです。

獅子岩
宝厳院を象徴する獅子岩

見どころのひとつ「獅子岩」は、横から見るといかにも獅子!木陰に隠れ、伏して前方を見据え、今にも動き出しそうな凛々しいお姿。

無畏庵
無畏庵でちょっとひと息

茶庵「無畏庵」では、お抹茶とモミジの葉をモチーフにしたお茶菓子でちょっと一服。空いていれば、番傘の下のお茶席、建物の縁側の席のいずれか好きな席を選べるそうです。


抹茶とお干菓子
抹茶とお干菓子。景色もご馳走です
お茶タイム
番傘の下で風流にお茶タイムを楽しむのもよさそう

俗世とかけ離れた新緑の名園。特別公開は、春と秋の2回あるようなので、次回は錦繍の秋に再訪したいものです。


嵐山の玄関口を彩る京友禅×現代アート【キモノフォレスト】

嵐山を散歩した帰りに嵐電の嵐山駅へ。


彩り豊かなオブジェ
駅のホームに彩り豊かなオブジェが!
青もみじとの対比
青もみじとの対比も絵になる

駅のホームや線路沿いに、色とりどりのアートが鮮やかな彩りを添えていました。
こちらは「キモノフォレスト」という名の小径で、世界で活躍するインテリアデザイナーの森田恭通氏と京友禅の老舗がコラボした、別名「京友禅の光林」。

京友禅の質感
近づくと京友禅の質感がわかります

アクリルのポールの中は京友禅の生地で、七宝、蓬莱図、大輪菊など絵柄があり、600本にもおよぶそうです。伝統の京友禅をモダンに魅せるアイデアに感服。

龍の愛宕池
龍の愛宕池

水にそっと手を浸すと幸せになれるというパワースポット「龍の愛宕池」も。夜にはライトアップされるそう。昼とは異なる幽玄の美に思いを馳せ、再訪を心に誓いました。


キモノフォレスト
駅を発つ電車を見送るかのよう
線路と京友禅の異色コラボ
線路と京友禅の異色コラボはここだけ

嵐山の新緑を堪能し、「京都王道写真映えさんぽ」第2弾も終了。第1弾とあわせて全6件をピックアップしましたが、各所をつなぐ道中にも思わずシャッターを切りたくなる美しいスポットがたくさんありました。


今回の虫眼鏡スポット(Google map)