Vol.7 こだわりまち文字さんぽ その2

Update: 2021.12.20
#虫眼鏡さんぽ

店舗外観

京都の街なかに潜む「まち文字」を探し求めて歩くまち文字さんぽ第2弾。
今回は、烏丸丸太町から八坂の搭を擁する東山界隈まで、なかなかのロングコースを歩きました!
さんぽで出会った、選りすぐりの「まち文字」をご紹介します。

腹が減ってはさんぽはできぬ。まずは京中華でランチ

「こだわりのまち文字」探しの第2弾は、京都御苑の南西角、烏丸丸太町からスタート。パワーチャージのため、いきなりですがランチタイム!
どのお店にしようかと丸太町通をさまよっていると、ユニークな文字を見つけました。

店舗外観
写真上部のタイルにも文字が隠れている

創業90余年という京都中華の老舗「ハマムラ」です。人の横顔を文字であらわすというこの斬新な発想に脱帽です。

看板
通りを行きかう人たちの目に留まる場所にも

庇(ひさし)にも「ハマムラ」、赤レンガの外壁のネオン看板も「ハマムラ」。
さあ、ハマムラのロゴはいくつ見つけられるでしょう?なんてクイズが出来そう。
圧倒的な存在感を放つロゴでした。
ランチは看板メニューの炒飯を注文。もうひと皿いけそうな、あっさり京風中華でした。


なんと読むの?難読文字の正体や如何に

おいしいランチでお腹が満たされたら、どこまででも歩ける気がしてくるから不思議です。
烏丸通を南下、二条通を東へ進み、寺町通へ。
以前、祇園の和菓子店・鍵善良房の軒瓦に文字を発見したのがうれしくて、「瓦」のマイブームが到来中。歩いているとき、ついつい瓦を見てしまいます。

瓦
瓦に難解な文字が!

寺町通の文具店・鳩居堂の軒瓦にも文字らしきものを発見!迷路のようにも見えます。
目を凝らして見ると……お店の頭文字の「鳩」ですね。鳩といえば、幸せの象徴でもあるので、ひょっとすると千客万来の願いも込められているのでしょうか。

つづいて、新京極通に佇む誓願寺門前を通ると、ミステリアスな石柱を発見。

誓願寺
和泉式部ゆかりの誓願寺。芸能上達のご利益があるそう

調べてみると、「迷子美ちし留遍」(=迷子道しるべ)と書かれています。建てられたのは140年近くも前のこと。石柱の向かって右側が「をし由留方」(=教ゆる方)、今はなかなか見えませんが左側が「さがす方」。その昔、迷子や落とし物などで困ったときにこの石に張り紙をしたのだそうです。交番などなかった時代に人びとの知恵が生み出した石柱だったんですね。

八坂神社でお参りして、南楼門から下河原通へ。歩いていると風情ある暖簾を発見。

店舗外観
屋根瓦の上の看板も味わいがあります

行列必至の親子丼で有名な「ひさご」です。今日は行列がない!
さんぽの最初にランチは済ませたけれど、せっかくのチャンス到来だし、いっぱい歩いてランチ分のカロリーを消費している気がするし……と暖簾をくぐりました。
ご主人に尋ねてみたら、「飛(ひ」「左(さ)」「古+濁点(ご)」と書いてあると教えてくれました。

親子丼
ひさごでふわとろの親子丼を堪能

念願だった親子丼は、ふわっふわのとろっとろ!ふりかけた山椒がたまごと鶏肉の甘みとうまみを引き出してくれて、お腹も心も大満足。さあ、次の文字を探して再出発です。


ロゴはお店の本質を表す!? よく見ると文字

祇園を通り抜け、京都五花街のひとつ、宮川町の静けさに包まれた通りを歩いていると、小粋な看板が目に留まりました。

看板
古き良き街並みと調和する看板

両端には朱文字で「葉書」「便箋」と書かれています。真ん中の文字?のすぐ横にはローマ字で「URAGU」。
看板の右側に人ひとりがやっと通れるほど細い路地があり、その奥に小さな町家のお店がありました。名前は「裏具(うらぐ)」。
葉書や小さなメモ帳「まめも」などが並ぶ和文具店で、舞妓さんも買いに来るそうです。

そろそろ帰ろうかとバス停を探して東大路通沿いを歩いていると、通り沿いにある一軒のカフェが目に留まりました。

看板
看板に惹かれてちょっと一服することに

「京茶珈琲café 高台寺店 Tea Coffee&Shop」というカフェ。京都の宇治茶と珈琲をブレンドしたオリジナルドリンクが味わえるとのこと。ここで休憩をとることに。
ロゴは、「茶」と「cfe」(=coffee)が融合していて、コンセプトとマッチしてる!

とろけるこけもち
苔玉そっくりなスイーツ「とろけるこけもち」

看板スイーツの「とろけるこけもち」を注文。あんこやほうじ茶クリームをわらび餅でくるみ、抹茶や氷餅の粒をまぶしたもので、苔玉とうりふたつ。ホッとなごみました。

看板やロゴには、作り手や店主の想いや心意気が込められているのだなと感じた「まち文字さんぽ」でした。
文字に注目しながら歩くのが楽しみになりました。まだまだ出会えそうな予感です。

今回の虫眼鏡スポット(Google map)