Vol.3 干支さがしさんぽ 四条河原町~嵐山篇

Update: 2021.04.30
#虫眼鏡さんぽ

街なかに隠れた動物たちを探して歩く「干支さがしさんぽ」。
第三弾は、「午」「未」「申」を求め、四条河原町と嵐山界隈を歩きました。
さあ、今回はどんな出会いがあるでしょうか。

午(うま)
繁華街のレトロビル、ガラス戸にたたずむ2匹の馬

スタートは、京都イチ賑わう繁華街・四条河原町から。
四条河原町の交差点から少し南へと歩いていくと、アール・デコ風の玄関が目に入りました。


ビルの名は、「グンイデルビ壽」・・・⁉ ではなく、右から読んで「壽ビルデイング」。
昭和初期の建築で、現在は国の登録有形文化財に指定されているそうです。
こういった歴史遺産がさりげなく存在しているのも、京都の魅力のひとつ。
足元のタイルもモダンです。

重厚な階段にいざなわれ、上の階へ。

中はまるで映画のセットのよう。つかの間のスター気分に浸ります。
ビルには、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」や、糸井重里さんによる、「ほぼ日」運営のショップ&ギャラリー「TOBICHI京都」が入居していました。
ふらっと足を向けたくなる素敵なお店ばかりです。

5階まで上がっていくと、今度は扉に馬のイラストを発見。

仲のよさそうな2匹の馬。ガラスの向こうは隣りのギャラリー。

こちらは、子どもの本専門店「メリーゴーランドKYOTO」。馬のイラストは店名にちなんでいるみたいです。店内は、絵本や小説、詩集が所せましと並ぶステキ空間。つい手にとりたくなる本ばかりです。
店長さんは、雑誌やラジオでの絵本の紹介やエッセイの執筆などもされているそう。お洒落で物腰のやわらかな方で、一冊一冊丁寧に絵本を説明してくださいます。大切な人への贈り物を選ぶのも楽しそう。

小ぢんまりとした店内。
オリジナルエコバッグもありました。

河原町を歩いたあとは、嵐山へ向かってみることにしました。京都の街は意外にコンパクト、嵐山までは9km超。歩けない距離でもないですが、体力温存のためにも電車でGO!
阪急線から嵐電に乗り換え、嵐山へ向かいます。40分もかからず到着。


未(ひつじ)
眺望抜群、嵐山のお寺の羊の微笑

日が暮れると幻想的なプロムナードになりそう。

嵐電嵐山駅の横には、「キモノ・フォレスト」が。京友禅の生地をアクリルでくるんだポールが600本立ち並びます。
嵐山といえば竹林が代名詞のひとつですが、こちらはさながら現代の竹林といったところ?若者たちにも人気のフォトジェニックなスポットです。

渡月橋。水面がキラキラと輝いてキレイでした。

渡月橋を渡ると、川上から吹いてくる澄んだ風がここちよく、思いっきり深呼吸。撮影日は12月上旬、山々は紅や黄に彩られ、いにしえから変わらぬ晩秋の風光を楽しめました。

南へ進むと古刹・法輪寺が見えてきました。山門をくぐり石段を上っていくと、途中に「電電宮」なる小さなお社が。電気・電波の祖神をお祀りしているのだそうです。

法輪寺の山門。
電電宮。

さらに石段を上ると、境内でいちばん高い場所に到着。目の前には風格ある本堂が佇んでいます。

本堂前には阿形の寅と吽形の丑の石像も。

では、さっそく本堂にお参りを。
・・・・・・ん!?

微笑をたたえる美羊。

線を感じてふと横に目をやると、にっこりほほえむ一頭の羊が。智恵を授けてくれるというご本尊「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」のお使いが羊であることに由来するそうです。伏した姿なのはご本尊を背に乗せようとしているところだから、という説もあるのだとか。

本堂に手をあわせてから授与所を覗いてみると、扇形の雅なお守りや、シールタイプの「情報安全護符」という珍しいお守りもありました。スマホやパソコンに貼り付ける人も多いのだそう。
本堂のそばには眺望抜群の展望所があり、思いっきりリフレッシュできました。いつも賑わう嵐山のなかで、ここは誰かに教えたくなる穴場スポットかも。風情ある裏参道を通り、法輪寺を後にしました。

シールタイプの情報安全護符。
展望所。

申(さる)
モンキーパークの自由気ままな野生の猿たち

大堰川のほとりを上流へ進むと「モンキーパーク」の看板が。調べてみると、野生の猿が120頭も暮らしているそうです。ここなら「申(さる)」に会える!
受付を済ませ、猿たちのいる山頂へと向かいます。途中の案内板には、「2m以上離れる」、「お猿の目を見ない」など園内で守るべきルールが書いてありました。坂道に息が上がってきたころ、突然、「ウキャーッ!!」という鳴き声が!
木の枝がしなる音がしたと思うと2,3匹の猿が急斜面を駆け下り、目の前を全力疾走していきました。
金網も柵もない自由な空間、いつどこから猿が目の前に現れるのかとドキドキ。

なかなかにハードな上り坂。
バッタリ猿に出くわします。

ようやく山頂に着くと、そこは一面のパノラマビュー!奥には小屋があって、餌をあげることもできるそうです。こちらにはちゃんと係員さんもいるので、ご安心を。

バナナのオブジェがアクセントになったパノラマビュー。

動物園の猿山とはひと味違う、猿の王国へお邪魔するような感覚。仲睦まじそうに毛づくろいをしたり、ロープにもたれて休憩したり、背中をまるめ、哀愁を漂わせて絶景を眺めていたり。どことなく、「人間っぽさ」を感じます。見ているだけで時間があっという間に経っていきました。

自由気ままに過ごす猿たちをそっと見守ります。

見ざる・聞かざる・言わざると「笑わざる」!? 4ショット。

餌もある。自由もある。絶景もある。もしも私が猿ならば、きっとここに暮らしたい。猿たちの桃源郷のような場所でした。

詳しい情報は今回の虫眼鏡さんぽスポット(Google Map)

今回の虫眼鏡スポット(Google map)